今月20日に行われるドラフト会議を前に、水面下で各球団の駆け引きが始まっている。
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巨人は高松商の浅野翔吾、ヤクルトは東芝の吉村貢司郎、ソフトバンクは誉高のイヒネ・イツア、オリックスは白鴎大の曽谷龍平、西武は早大の蛭間拓哉、日本ハムは日体大の矢澤宏太、広島は苫小牧中央高の斉藤優汰、楽天は立大・荘司康誠の1位指名をそれぞれ公言した。
1位指名をドラフト会議前に公表するのは、どのようなメリットがあるのだろうか。アマチュア担当のスポーツ紙記者はこう分析する。
「今回のドラフトは突き抜けた実力の超目玉がいない。事前に指名選手を公表することで競合する球団を減らせるという目論見があると思います。西武の蛭間の1位指名は絶妙だと思います。外野手の即戦力が喉から手が出るほど欲しいチーム事情ですが、1軍のトップレベルで通用するかと言うとスカウトによって判断が分かれる選手です。他球団は蛭間で競合するなら、他の選手に…という心理が働くのではないでしょうか。一方、オリックスが公表した曽谷は先発の即戦力左腕として需要が高い。曽谷は一番人気になるのではないでしょうか」
今夏の甲子園で3本のアーチを放つなど、高校通算68本塁打の高松商・浅野翔吾の動向も注目される。巨人が1位指名を公表しているが、昨年までの10年間で他球団と11度競合し、当たりクジを一度も引いていない。今回は単独指名になるだろうか。気になるのは岡田彰布監督が就任した阪神だ。
在阪のテレビ関係者は「走攻守でハイレベルな実力を持つ浅野は魅力的です。ただ、大阪桐蔭高の松尾汐恩も強肩強打の捕手で将来の扇の要になれる逸材です。浅野で巨人と競合するか、松尾でいくか。ギリギリまで迷うと思いますが、松尾を1位指名するなら他球団へのけん制の意味を含め、事前に公表するかもしれません」と予測する。