――世論調査でも旧統一教会の認証取り消しや解散を求める声が増えている。「質問権」の結果次第では、ますます風当たりが強くなるのでは。
「質問権の条文を読み込むと、解散命令の可能性がある宗教団体に対して実施されるもの。正直、解散命令につながることが最も怖い。しかし憲法で認められた、信教の自由が簡単に覆されるとは思わない」
質問権については、そうした考えを述べた。
今回、消費者庁の検討会による報告書の「提言」では、
「(過去の)消極的な対応には問題があり、運用の改善を図る必要がある」
とこれまで「質問権」に消極的だった対応を問題視している。
とはいえ、そう簡単に宗教法人を解散させることができるのだろうか。
前出の自民党幹部は、
「最も抵抗が激しいのが(宗教行政を所管する)文部科学省です。憲法の信教の自由との兼ね合いもあり、実に硬い姿勢です。質問、調査した旧統一教会は問題がないから存続していいという結論は出しにくいが、文科省も世論の批判と政権浮揚が狙いという背景が透けて見えているから簡単にOKはしない。多くの世論は、質問権は旧統一教会の解散につながると思っている。岸田首相がどこまで、文科省を説得できるかがポイントだ」
と話す。
そしてもう一つ、大きな問題がある。
これまで、旧統一教会と自民党の国会、地方議員らとの関係については、選挙支援も指摘されてきた。
旧統一教会の幹部からは、
「これまで地方でも国政でも自民党を応援してきた。『誰のおかげで当選できたんだ』『選挙でポスターを貼ってやったことをわかっているのか』と怒っている信者はたくさんいる。教会のコントロールがきかなくなり、信者が自民党との関係をばらすこともあるかもしれない」
といった言葉も漏れてきた。
多くの関係性が明らかになった細田博之衆院議長は、数枚の紙以外での説明はなく、山際大志郎・経済再生担当相も居座ったままだ。旧統一教会の「しっぺ返し」次第では自民党とのかかわりがさらに明らかになることも想定される。