10月17日に検討会が公表した報告書では、
「旧統一教会については、社会的に看過できない深刻な問題が指摘されているところ、解散命令請求も視野に入れ、宗教法人法第78条の2に基づく報告徴収及び質問の権限を行使する必要がある」
などとする提言をまとめている。
これまで、刑事事件で関連団体が捜査されたことがあった旧統一教会側だが、「質問権」は過去に例がなく、どういう調査になるのかまだ判然としない。
それについて、旧統一教会の現役幹部がAERAdot.の取材に応じた。
――「質問権」をめぐる動きについてどう思うか。
「質問権で本当に調査すると知り、正直驚きだ。まさか、という思いで、教会内も右往左往で焦っている。『どうすればいいのか』との声があちこちから聞こえ、末端信者まで動揺が広がっている」
――「質問権」には応じるのか。
「質問権は解散命令の請求につながるもの。2009年のコンプライアンス宣言以来、大きな問題はなかった。なぜ今になって質問権かと腹立たしい。しかし拒否するわけにはいかないでしょう。拒否すれば、宗教法人の認証取り消しの理由にされかねない。世論の反発もある、受け入れる方向だ」
――「質問権」は過去になかったこと。警察の強制捜査とも違う?
「これまでに関連団体などに警察の捜査が入った時は、ただ見守り、言われた通りにするだけでしょう。だが、質問権となると、(旧統一教会本部は)聞かれて答えるということだから戸惑いはあるが、強制的に資料やデータを出せというものではない。ある程度、準備、予行練習はできると思っている。対面で一問一答なのか、書面なのか、はっきりしない。どんなことにでも対応できるように準備はしていく」