患者が言いたいことを言えない医師は、かかりつけ医としてはふさわしくないだろう。
水野医師は、こう話す。
「患者さんの要望をなんでも聞く、という医師も問題があると思います。例えば、抗生剤のむやみな処方もその一つです。高齢者はかかりつけ医に疑問を持ったら、お子さんやお孫さんの意見を聞きながら、新たなかかりつけ医を探すことも一考ではないでしょうか」
水野医師自身、かかりつけ医として、学ぶことは常にあると実感している。開業を決めてからは病院勤務のかたわら、約2年間、休日に北海道や山形県など地方の市中病院やクリニックに出向き、実地で総合診療を学んだ。現在も休診日に地方に出向き、在宅診療の医師として従事する。
「コロナ禍によって開業医のあり方が大きく問われました。医師としては新たな知識や情報をアップデートし続ける必要があると思いますし、患者さんとしても最新の医療情報や医療機関情報を調べた上で、自分に適したかかりつけ医を見つける努力が必要であると思います」
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(文・狩生聖子)