かかりつけ医は、後方支援病院として専門医をそろえた病院などの紹介先を持っているはずである。特にその医師の専門の診療科・分野については、さらに詳しい情報もわかるだろう。

「私の場合は感染症専門医ですから、この分野の医師については、日本のどこにどのような医師がいるかはある程度わかります。逆に専門外の病気はそれほど詳しくないので、連携している病院やホームページの手術数などを参考にして選んでいるのが実情です。この点、ご自身や家族の病気の紹介先にとことんこだわるのであれば、開業医の専門分野から、かかりつけ医を選ぶのも一つの方法かもしれません」

 例えば胃の病気であれば、消化器内科や胃腸科。心臓の病気なら循環器内科や心臓外科という具合だ。「内科・消化器内科」といった具合に、内科と併記されていることも多い。

「外科出身の開業医は外科を標榜するでしょうが、クリニックでは内科の診療をすることがメインになるので、『内科・胃腸科・外科』などと併記しているのが一般的です。一方で内科出身であればまず外科は標榜しないと思います(※医師が1人の場合であり、複数の専門医が従事するクリニックもあります)」

 こうした情報はホームページから、かなり得られるという。

「都市部は自分の専門分野を持ちながら、総合診療に取り組む開業医が多いので、気になる症状があったら、まずはその症状に関連する科を標榜するクリニックを受診してみましょう。その医師と相性が合えば、かかりつけ医にすればいいと思います」

 一方、すでにかかりつけ医を持つ人も、疑問を感じたら「かかりつけ医を変える勇気を持つべき」と言う。

「私のクリニックは一時期、コロナの疑いでやってくる新規の患者さんが多かったのですが、高齢の患者さんから、ポリファーマシー(多くの薬を服用することにより副作用などの有害事象を起こすこと)の相談を受けました。薬を10種類くらい服用し、副作用でふらつきが起こっているケースもありました。かかりつけ医に減らしてもらうように言ったらどうかと話すと、『先生に悪いから言えない』と言うのです」

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要望をなんでも聞く医師も問題