東日本大震災から12年、地震について改めて考えたい。日本には多くの活断層が走り、主要活断層帯は114、うち最も危険度が高いSランクが31ある。その中から注目すべき活断層を見ていこう。AERA 2023年3月6日号から。
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今年1月、国の地震調査研究推進本部(地震本部)は「主要活断層帯」を公表した。
同本部は、全国の活断層帯の長期評価について、M7級以上の地震を起こす可能性がある長さ20キロ以上の活断層帯を主要活断層帯と認定し、重点的に調査や評価を行う。地震発生の危険度を「S」「A」「Z」「X」の4段階の「ランク」で分類し、例年1月に更新して警戒を呼び掛けている。
最も危険度が高いのが「Sランク」で、今後30年以内に地震が発生する確率が3%以上。次いで、「Aランク」は同0.1~3%未満、「Zランク」は同0.1%未満、「Xランク」は確率が不明で、すぐに地震が起きることが否定できないものを指す。
1月1日時点で、全国で114が主要活断層帯と認定され、そのうちSランクは31ある。
Sランクにはどのようなリスクが潜むのか。特に気になる活断層を見ていこう。
まず、人口が集中する首都圏にあるのが、神奈川県の三浦半島を横切るように平行して延びる「三浦半島断層群」だ。同断層群は北側の主部と南部とに分けられ、主部の「衣笠・北武断層帯」は少なくともM6.7程度かそれ以上の地震が発生すると推定されている。
■地震は連動する
神奈川県が公表した被害想定によると、同断層群で地震が起きると、横浜市、横須賀市、逗子市などで震度6強の揺れがある。全県で約11万棟が全半壊し死者は1130人。約140万軒が停電し、約66万人が断水して復旧には17日を要する。
災害リスクマネジメントが専門の立命館大学環太平洋文明研究センターの高橋学特任教授は、被害はさらに大きくなる可能性があると指摘する。