さらに問題は、前線で体を張って攻撃の起点になれるFWが上田綺世のみである点だ。その上田も最大の武器は素早い動き出しからの「裏抜け」にある。日本の強みである両サイドのスピードを生かすためにも、「守」から「攻」に移る際に中央でボールを収められるポストプレイヤータイプのFWが必要。9月のアメリカ戦でハマったハイプレス戦術が理想なのかも知れないが、ドイツ、スペイン相手には簡単にいなされ、通用しない可能性がある。そうなった場合、どのようにして攻撃するのか……。
彼ら以外にも多くの候補者がおり、考え方ひとつで選出メンバーも変わってくる。果たして今回、森保監督が選んだ26人は最適だったのか。サプライズ選出がなかった今回のメンバー発表だが、サプライズ落選が多かっただけに、その疑問と不安が残る。この意見を黙らせるためには「結果」しかない。日本にとって7度目のW杯、「この26人で良かった」と納得できる戦いをカタールの地で披露してもらいたい。(文・三和直樹)