そんな岩崎はマウンド上ではポーカーフェイスで飄々と仕事をこなすのが印象的。一時期はマスコミやヒーローインタビューでの「塩対応」が話題となった。周囲を気にしないマイペースなイメージが先行したが、実は優しく繊細、考え込みやすいタイプ。「自分は必要とされているのか?」と自らの存在価値まで問いただす日々もあったという。

 また、残留の理由として「1番は、阪神球団をはじめ、チームやファンの方々から『タイガースに残って欲しい』と言っていただいて、必要としてもらったことです」とコメントするなど、常に周囲への感謝の気持ちを忘れない男でもある。

 人前で話すのが好きではないだけで、ロッカーなどではチームメイトと楽しそうにしている姿も多く見られる。去就についても編成担当者のみならず、裏方さんなど多くのチームスタッフやファンから「残って欲しい」と声をかけられたのが嬉しかったようだ。

「塩対応と言われた時も、目が笑っているように見える。照れ隠しやネタ半分でやっているような感じ。話を聞こうとすると1度は嫌がるけど、その後に必ず時間を作って答えてくれる。チームメイトや関係者からも悪い話は全く出てこない。根は良い人間なのがわかります」(阪神担当記者)

 ヒーローインタビューでは「0点で抑えることができて良かったです」とだけコメントし、そっけないともとられるが、本当の人間性が周囲にも伝わっているから憎まれず人気も出るのだろう。

 2013年のドラフトでは下位指名(6位)ながらコツコツと実力を磨き、昨年は東京五輪で金メダルを獲得した侍ジャパンの一員にもなった。個人としてもここ数年は安定した成績を残しており、残るミッションは自身を指名して育ててくれた阪神を優勝させるだけだ。

「一番合っているのはセットアッパーだと思う。今年はケラーのこともあって、クローザーということになったが、役割を明確にしたら、戦力として十分大丈夫だと思う」(岡田監督、10月28日放送・サンテレビ『熱血!タイガース党』)

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