その大会の最後、美智子さまは雅子さまのほうを振り返り壇の中央に招いた。美智子さまは雅子さまの腕を軽く取り、言葉をかけた。雅子さまはぱっと笑みを浮かべ、客席に向かって頭を下げた。続いて、美智子さまも頭を下げた。「次はあなたよ、がんばって」。美智子さまのそんな声が聞こえてくるような、サプライズ演出だった。
美智子さまは白いスーツ、雅子さまは紺色のスーツだった。他の皇族方も白系統と紺系統で順番に並んでいた。50年前の「1人だけ白」を乗り越え、最後は温かな演出で幕を閉じた。美智子さまの人生が凝縮された大会だった。全員の服装について「遠目にはまるでオセロのようで、女性皇族の一体感を演出しているように見えた」と書いたメディアもあった。
ことほどさように、女性皇族が集合するのは大変なのだ。だから、というわけではないだろうが、愛子さまと佳子さまの「紅白コーデ」はとても話題になった。そして愛子さまは服装だけでなく、髪形も注目の的だった。「“ヘアゴム隠し”のポニーテール」と名づけて「艶やかな髪を緩く巻き、ひとつに束ね、ヘアゴムの結び目の上から髪を巻きつけ」と解説したのは「女性セブン」(22年11月24日号)で、流行中の新しいヘアスタイルだとしていた。
愛子さまのお出かけが少ないという事情がある。21年12月に成年皇族になり、22年3月の初めての記者会見で国民を魅了した愛子さまだが、コロナ禍で大学もリモート学習を通していて、ファッション情報もほとんどない。
一方、積極的に外出しているのが佳子さまだ。10月1日から11月10日までの佳子さまの日程を朝日新聞デジタルの「皇室7days」でチェックすると、1泊2日(栃木県と奈良県)を含め皇居の外へのお出かけが9回。ちなみに愛子さまとの雅楽鑑賞は入っていないから、あれはプライベートということなのだろう。
そして佳子さま、失礼を承知で書かせていただくなら、「おしゃれ番長」だ。9月24日、鳥取市での車いすツインバスケットボールの練習会場ではブルー系の縦ストライプのワンピース(上に白のジャケット)を着て、きっぱりした感じを見せていた。そうかと思うと10月1日、日本デフ陸上競技選手権大会会場では濃いワインレッドでレース地のワンピースを着て、フェミニンな感じに。どちらもよく似合い、佳子さまはファッションが好きなのだと思わせる。笑顔はいつも弾けるようだし、デフ陸上の会場で手話を使いこなす様子はとても気さくだ。