オリックスは16日、西武からFA権を行使した森友哉捕手(27)の獲得を発表した。
西武を取材するスポーツ紙記者は、こう語る。
「森にはオリックス、巨人が獲得に興味を示していた。本人は西武残留を含めて悩んでいました。チームに不満があるわけではなく、同期入団で仲良しの山川穂高や他の選手とプレーする環境が心地良かった。実際に西武残留に気持ちが傾いた時があったと関係者から聞いています。ただ、関西出身で地元球団のオリックスには特別な思いがある。環境を変えることで、野球人としてさらにステップアップしたい思いに至ったのでしょう」
26年ぶりの日本一に輝いたオリックスだが、主軸の吉田正尚が今オフにポスティング・システムでメジャー挑戦を熱望している。球団は必要不可欠な戦力と評価しているが、リーグ連覇に貢献した功労者として吉田正の夢を叶えたい思いもある。退団となれば戦力ダウンが必至の中、強打の捕手でクリーンアップを任せられる森が加入すれば心強い。今季は打率.251、8本塁打とふるわなかったが、2019年に吉田正と熾烈なタイトル争いを制し、打率.329で首位打者に輝いている。捕手としても最近の数年間で格段に成長しており、攻守の中心選手として期待される。
かつてのオリックスは、FAで主力が流出するケースが多かった。特に同じ関西を本拠地に置く阪神に移籍する選手が多く、石嶺和彦、山沖之彦、星野伸之、日高剛、糸井嘉男、西勇輝と投打の中心選手がチームを去っている。FA補強でも他球団との争奪戦に敗れることも少なくなかったが、チームが強くなりその状況が変わりつつある。
「外部補強に頼った時期があったが、低迷期が続いて育成に力を入れる方針に舵を切った。山本由伸、宮城大弥、吉田正ら中心選手は生え抜きばかり。今オフは近藤健介(日本ハム)のFA補強にも乗り出していますが、本当に必要な選手しか獲得に乗り出さない。資金力がある球団ですが、手あたり次第補強に乗り出さなかったことで、FA交渉する選手にも誠意が伝わっているように感じます」(スポーツ紙デスク)