
たしかに、いつ死ぬかは誰にもわかりません。
と、いいながらも、日本人男性が60歳まで生きる確率は、93%以上! しかも、そこからの平均余命も23年以上と言われています。
しかも女性だと、60歳まで生きる確率は96%以上、そこからの余命も28年以上、とさらに長くなります。
「お金を使い切らずに後悔する確率」と、「お金を使い切って後悔する確率」を比べたら、後者のほうが絶対に大きい。少なくとも、本人の気持ちで比較すると、後者のほうが100%辛いはずです。
だったら、不幸(リスク)を避けられる確率の高い方法を選んだほうがいいですよね。
■お金を遺しておく、幸せだってある
ここでもっと怖い話をしましょうか。
たとえば、海外で突然ケガをしたり、国内で保険対象外の治療が必要な病気にかかったりした場合、ヘリコプターを呼んで救急病院に行くのにも、先進医療を受けるためにも、お金が必要になってきます。
お金があれば命が助かったはずなのに、貯金してこなかったから亡くなってしまった人だっているかもしれません。
「いつ死ぬかわからない」という考え方が、「今日死んでしまう」原因になりうるわけです。
僕はこれまでの仕事や節約、投資でそれなりの資産を築いてきました。
これから何歳まで生きられるかわかりませんが、おそらくお金を全部使い切って死ぬことはないと思います。
でも、だからといって損とはまったく思いません。
むしろ、使い切らずに死にたい。「僕にはまだ十分にお金がある!」「子どもたちにもお金を遺せる!」と思いながら人生を全うしたいです。
(構成/増田侑真)
パックン
本名:パトリック・ハーラン。芸人・東京工業大学非常勤講師。
1970年11月14日生まれ。アメリカ・コロラド州出身。93年ハーバード大学比較宗教学部卒業。同年来日。97年、吉田眞とお笑いコンビ「パックンマックン」を結成。NHK「英語でしゃべらナイト」「爆笑オンエアバトル」をはじめ、多くのテレビ番組に出演し、注目を集める。「AbemaPrime」でアンカー、「報道1930」でコメンテーターを務めるなど、報道番組にも多数出演。2012年10月より池上彰氏の推薦で東京工業大学の非常勤講師に就任。コミュニケーションと国際関係についての講義も行っている。二児のパパ。
25年以上の投資歴があり、金融教育の講師として全国各地で講演会も行っている。
最新刊の『お金の育て方』では、「生活保護」状態から「お金持ち」になるまでに身につけた、誰にでもマネできる、お金との付き合い方を詰め込んだ。