皇室は、言葉だけではなく装いから相手への敬意やメッセージを伝えてきた。佳子さまのとちぎ国体での配慮は、訪問する場所や人に合わせて装いに意味を込めてきた上皇后美智子さまを思い起こさせる。
「皇室を出たい」佳子さま
秋からは、姉の眞子さんより引き継いだ公務や、春日大社(奈良県)の神様を仮殿から本殿に戻す「本殿遷座祭」への参列など、重みのある公務に次々と向き合っている。
「迷いを断ち切ったような表情です」(前出の人物)
佳子さまは大学生の時期などは自身の立場に悩み、「皇室から出たい」と親しい人に漏らしたこともある。ヒゲの殿下として愛された故・寛仁親王の意思表示ように、「皇室会議を経て皇室を出たい」と真剣に考えたこともあったという。姉の眞子さまが結婚して渡米した際も、現地でパパラッチに追いかけまわされる様子を見て、悔しさに涙をにじませたこともあった。
コロナ禍で公務そのものが激減し、実現する公務もリモートが中心になり、国民と皇室の距離が遠くなった時期だった。
その時期、眞子さんもひっそりとニューヨークでの生活を送っていた。入籍直後に、小室圭さんは司法試験の1回目の不合格が判明。今年2月には、2回目の試験も不合格。10月に行われた3度目の挑戦で「合格」が発表されるまで、辛い時期が続いた。
時折、現地でパパラッチされる眞子さんの服装も、黒をはじめとする暗い色のトップスやコートにゆったりしたデニムパンツが多く、現地メディアが「ユニフォーム」と表現するほどであった。
眞子さんの「ユニフォーム」
宮内庁が診断した眞子さまの体調も関係していたのかもしれない。
複雑性PTSDなどの症状を抱える患者を多く診察してきた精神科医の井上智介医師は、こう話す。
「精神状態が不安定な患者さんの中には、服をコーディネートする作業すらしんどい、状態にある方も少なくありません。そうなると、本人は社会に受けられるパターンの組み合わせで選びやすい物を着るようになる。当然、着るものは偏って同じものばかり、となります」
井上医師によれば、人と会ったり会話をしたりするといった対人関係にエネルギーを使うことが辛いと感じる場合、周囲と接触が少ないよう、視線を集めない、目立たない色や格好を選ぶ傾向にあるという。