前述したように出塁率が極めて低いチームにあって、近藤が抜けるとなると得点力がさらに低下する可能性は高い。残る補強現役ドラフト、さらなるトレード、新外国人選手なども考えられるが、近藤の穴を埋めることは簡単ではないだろう。

 積極的に多くの選手を起用したことによって若手の底上げは進み、投手では加藤貴之、野手では松本剛が大ブレイクするなどプラスの面もあったことは確かだが、ここまでの状況を見てみるとやはりリーグ優勝、日本一に向けて視界は良好とは言えない。新球場で迎える2023年シーズンも苦しい戦いとなる可能性は高そうだ。(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文 1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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