「25歳という若さで化ける可能性は残っている。高校時代から身体能力の高さは折り紙付き。時折、想像を超えるようなプレーを見せてくれた。何かのきっかけでブレークするかもしれない。全ては本人次第ですが」(高校時代から知るスポーツライター)

 また、球団としてはオコエのポテンシャルもさることながら“スター性”についても評価しているようだ。2020年オフには石井監督から「考えが甘い」と公の場所で苦言を呈されるなど、グラウンド外のネガティブなことで話題となることも多いが、しっかり結果を残すことでチームの顔になれると期待されている。

「グラウンド外のことには悪気はない。本当に気さくなナイスガイで、言ってみれば子供なのです。話題になるのはプロ選手としては悪いことではない。本業で結果を出せば(グラウンド外での行いが)武勇伝にもなるはずです」(楽天関係者)

「人気選手で個人グッズ売上もトップクラス。年俸1000万円程度なら回収可能なので賭けてみる価値はあると判断しているのでしょう。大化けしたら球界を代表するドル箱選手になれる可能性を秘めている」(高校時代から知るスポーツライター)

 誰もが認める「何年かに1人の逸材」だったのは間違いなく、才能開花を待ち続ける人は多い。注目度の高さがある分、契約を結んでもらえる部分も否定できないが、チームに必要な選手であると評価されている可能性は高い。

 楽天攻撃陣のバランスの悪さもオコエにとっては追い風にもなっている。今シーズン、規定打席に達した野手は6人いるが、右打者は浅村栄斗だけ。今オフに通算154勝の右腕・涌井秀章をトレードで放出し、中日から右打者の阿部寿樹を獲得しているが、まだ右打者の外野手は必要という声もある。また、オコエは二軍ながら打率.327(98打数32安打)、7盗塁としっかり結果を残しているのも大きい。

「(今シーズン)外野で主に試合に出場した島内宏明、辰巳涼介、西川遥輝の3人は全て左打者。阿部は外野も守れるが本職ではない。俊足強肩で守備に定評あるオコエが打てるようになれば、バランス面を考え試合出場機会は増えるはず。長打力もあるので怖い存在になる」(在京球団編成担当)

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石井監督が“勝負”をかける来季が正念場?