FA市場の救援投手では通算205セーブのエドウィン・ディアス(メッツと5年契約)、同391セーブのケンリー・ジャンセン(レッドソックスと2年契約)など目玉選手の去就は決まり、市場に残っている選手の中に“これぞ”という投手はいないが、リリーフは実績がなくとも一気に開花する選手もいるだけに、来季へ向けて勝ちパターンの一角を担えそうな投手は何枚か欲しいところだ。

 野手陣でここまで大きな補強と言えるのが、いずれもトレードで獲得したジオ・ウルシェラ内野手とハンター・レンフロー外野手の2人。

 ウルシェラは今季ツインズで144試合に出場して打率.285、13本塁打、64打点の成績。主に三塁手として出場し、守備力の指標であるUZRもリーグ全体で10位と守備力も低くない。一方、レンフローは今季ブルワーズで125試合に出場して打率.255、29本塁打、72打点をマークした右の大砲。守備範囲は決し広くないが、補殺はリーグ4位の11個を記録するなど強肩が売りだ。

 今季のエンゼルスのチーム打撃成績は、打率がリーグ全体で24位(.233)、本塁打が同11位(190)、打点は同25位(600)、得点は同25位(623)、盗塁は同19位(77)と攻撃力不足は明らか。2人は機動力の面での上積みはないが、攻撃の厚みが加わったのは大きい。

 彼らに加えて、強肩強打の捕手で今オフにカブスからFAとなっていたウィルソン・コントレラスに興味を示していると伝えられていたが、コントレラスは最終的に5年契約でカージナルス入り。今季正捕手を務めていたマックス・スタッシは打率.180と苦しんだだけに、ウィルソンが逃したのはエンゼルスにとっては痛い。

 現状チームに在籍する選手では大谷、マイク・トラウト外野手というリーグを代表する打者に、実績十分のアンソニー・レンドン三塁手、ルイス・レンヒーフォ二塁手、ジャレド・ウォルシュ一塁手、今季ブレイクしたテーラー・ウォード外野手と顔ぶれ的には悪くはない。だが、トラウトは近年怪我がちで、レンドンも大型契約で加入後は負傷で離脱することも多くほぼチームに貢献できていない。健康状態を保つことができれば“戦える力”があるようにも見えるが、攻撃の部分は投手陣に比べても不安要素は多い。

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