同じセカンドのレギュラー争いで動きがありそうなのが阪神だ。ここ数年は糸原健斗がレギュラーとしてプレーしてきたが、守備面が大きな弱点となっており、岡田彰布新監督も二遊間のてこ入れを示唆している。秋季練習では木浪聖也の評価が高く、中野拓夢をセカンドに回してショートに木浪という案も出ているようだが、中野のショートとしての守備力の高さを考えると、動かすのは得策ではないように見えるため、やはり新たなセカンドのレギュラー候補を探すことになる可能性は高そうだ。

 実績的にはトレードで日本ハムから獲得した渡辺諒の名前が挙がるが、守備に関しては糸原よりも低い指標も多く、守備力の向上になるとは考えづらい。そこで浮上してくるのが来季で5年目となる小幡竜平だ。細身だがフットワークの良さとハンドリングの巧みさには定評があり、一軍でも度々見事な守備を見せている。課題の打撃も今年は二軍で3割を大きく超える打率を残し、成長を見せた。将来的にはショートに回ることも十分に考えられる素材である。もう1人面白いのが来季で3年目の高寺望夢だ。今年は高校卒2年目ながら二軍ではチーム2位のヒット数をマークするなど活躍。ミート力の高さは大きな魅力で、一軍でもプロ初ヒットを放っている。守備の堅実さは課題だが、脚力は申し分ないだけに、抜擢の可能性も十分にありそうだ。

 パ・リーグで、まず注目なのは吉田正尚が抜けたオリックスの外野手争いだ。今年は吉田が指名打者に回り、杉本裕太郎、福田周平、中川圭太が外野を守ることが多かったが、杉本と福田はベテランに差し掛かっており、さらに福田、中川は元々内野手だったことを考えると、新たな選手が定位置をつかむことも十分に考えられる。

 まず候補として名前が挙がるのがともに来季で2年目となる野口智哉、渡部遼人の2人だ。野口は今年あらゆるポジションで起用され、一軍で35安打を記録。ホームランは1本だけだったものの、豪快なフルスイングは迫力十分で、対応力が上がれば長打が増えることも十分に期待できる。一方の渡部は高い守備力と積極的な走塁が武器。今年は一軍で1安打に終わったが、二軍ではチームトップの13盗塁をマークしている。打撃のしぶとさが出てくれば面白い存在になりそうだ。また他にも高校卒3年目の来田涼斗、高校卒2年目の池田陵真も早くも一軍でヒットを記録しており、ドラフト4位ルーキーの杉沢龍も大学球界を代表する左の強打者である。彼らの出世争いはこれからのオリックスの注目ポイントと言えるだろう。

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