これら右派の人物や右派政治の人気の高まりはイスラエルに限ったことではありません。近年反リベラルな右派政党が、いくつかのヨーロッパの民主主義国家でも力を持ち始めました。ハンガリー、ポーランド、そして最近ではイタリア、フランスの急進右翼ルペン氏の「国民連合」は、577議席の議会で89議席を獲得しました。
3人の極右政治家、ベングビル氏、スモトリッチ氏、マオズ氏は、国際的には占領地とみなすヨルダン川西岸地域の小さな入植地に住んでいます。 彼らの支持基盤はこれら1967年以前のイスラエル国境の外側、現在パレスチナ自治区となっているヨルダン川西岸地域内にあるパレスチナ人の町や居住地の中に点在する入植地に住んでいる、ユダヤ系イスラエル人約50万人です。
これらのヨルダン川西岸にある入植地に住むユダヤ人は、自分たちを強硬派のシオニストだと考えています。彼らは一般のイスラエル人よりも、ユダヤ人としてのアイデンティティーを優先します。そしてこの占領地に住むことで、ユダヤ人が2000年の亡命後に故郷に戻った歴史的役割を果たしていると信じています。 彼ら入植者はよく組織され、忠誠心があり、選挙中に有権者を総動員できるので、実際の人口規模よりも選挙での力を最大に発揮できます。
ベングビル氏自身は(ユダヤ人)テログループの支援を受けて刑事告発で有罪判決を受けていますが、警察の責任者となる強力な内務大臣のポストに任命されました。同じくスモトリッチ氏も、2005年に政府がユダヤ人をガザ地区から撤退させることを防ぐために爆発させようと疑われた大量のガソリンを隠していた疑いで捕まり、告発されました。今回その彼を、ネタニヤフ氏は財務大臣に任命しようとしています。そして、同性愛嫌悪の発言記録を持つマオズ氏は、高校の課外授業を担当する文部省の小さなユニットを担当することになりました。このポジションは愛国教育を促進することを可能にします。