投手陣に目を向けると、エース格は今季のサイ・ヤング賞右腕サンディ・アルカンタラ(マーリンズ)。分業制が進んだ近年のメジャーリーグでは異例のシーズン6完投を記録したタフネスで、14勝9敗、防御率2.28、207奪三振をマークした。不安があるとすればプレーオフ未経験のため、短期決戦で真価を発揮できるかどうかだけだろう。

 160キロを超える速球とチェンジアップとの緩急がえげつないルイス・カスティーヨ(マリナーズ)も侮れない。今季途中にレッズから移籍して迎えたワイルドカードシリーズでは、ゲレーロら擁するブルージェイズの強力打線を相手に8回途中まで無失点の快投を見せた。レッズ時代を含めたプレーオフ通算成績は3試合で防御率1.83だ。

 さらに今季17勝6敗、防御率2.82のフランバー・バルデスと、11勝9敗、防御率2.54のクリスチャン・ハビアーのアストロズ勢もいる。ブルペンはメジャー2年目でジャイアンツのクローザーの座を射止めて27セーブを挙げたカミロ・ドバルが守護神候補となりそうだ。

 WBCでは2013年の第3回大会を制しているドミニカ共和国。23年の第5回大会は1次リーグでプエルトリコ、ベネズエラ、イスラエル、ニカラグアと対戦する。2大会連続で準優勝のプエルトリコ、多数のメジャーリーガーを擁するベネズエラは難敵だが、ここを抜けてさらに米国が勝ち上がってくるだろう2次リーグも突破すれば、準決勝で日本と当たる可能性が出てくる。(文・杉山貴宏)

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