高校時代の山上徹也容疑者。応援団員として活躍した=卒業アルバムから
高校時代の山上徹也容疑者。応援団員として活躍した=卒業アルバムから

「山上容疑者のやった事件は許されない。だが、旧統一教会がいかにひどいかを明らかにして、被害者のための法律ができるきっかけも作ってくれた。山上容疑者が罰を受けるのは当然だが、私のような脱会した元信者からは、山上容疑者をなんとか助けることはできないかという声があがっているのです」

 元弁護士でもある山上容疑者の伯父は言う。

「今も徹也のところに現金やお菓子など差し入れがたくさんあるようだ。数十万円単位で送金してくる人もいると聞いている。一方で、徹也の母親は今も旧統一教会に囲われて反省もなく過ごしている。徹也の精神鑑定では、弁護士によく聞くと、旧統一教会への心情なども調べられているようだ。裁判で本当の動機解明がなされることを願うばかりだ」

 亡くなった安倍元首相の地元、衆院山口4区では来春に補欠選挙が実施される予定だ。待望論があった昭恵夫人は不出馬を決め、安倍家から後継者を出さないことが決まった。

 安倍元首相の後援会幹部は言葉少なに語った。

「12月で地元の安倍事務所は閉鎖となった。毎年、年末になれば事務所に集まり、安倍先生から『お世話になりました、よいお年を』とメッセージをいただいていました。今も安倍先生のやさしい笑顔、柔らかな手で握手してくれたシーンがよみがえります。こんな悲しい年の瀬はありません……」

(AERA dot.編集部 今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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