あとは、やってみないと意外と知らないことも多かったです。東京都は病院で医療証を見せると子どもの医療費が無料になったり、コロナ禍出産の10万円の支援のためにIDが書かれたカードが家に送られてきたり、実際にこうやって運用されているんだ、こんなサポートがあるんだと知ることも多かったです。
認可保育園の申し込みも、自治体によって全然違っていますよね。保育園を選ぶ時期にちょうど引っ越しをしていたので、二つの自治体の冊子を読み込んで、園の場所を調べて書類を揃えました。結構大変で、挙句の果てに、希望は通らなかったんですけどね……。
――岸田首相は「子ども関連の予算倍増」も掲げていますが、財源の検討は先延ばしされ、特に若い世代や女性からの支持率が落ちています。この状況をどう見ていますか。
本来は社会全体でもっと声を上げていかないといけないと思うし、実際に子育て中の母親だということを前面に出して選挙に出て、国会議員をやっている人もいるんですけど、子育てから離れたところにいる政治家も多いし、実感がどこまで届いているんだろう……。年々子どもの数が減り、国として存続できるかっていう危機感はあると思うんですけど、少子化対策という大きい視点と現場の視点とをバランスを取るのが難しいんだろうなと思います。
■出産費も妊婦検診も“地域差”
あとは、子ども関連の施策といっても結婚や妊娠、出産、子育てまでいろいろあって、どんな補助がほしいか人によって全然違うと思う。例えば、岸田さんが23年度から出産一時金を42万円から50万円に引き上げると決めましたが、それだって地域によって自分で払っている額って全然違うんですよね。東京はそもそも病院が高くて、出産費用も妊娠中の検診も払っている人が多いと思います。私も結構払いました……。一方で、地域によっては今の42万円で全然まかなえちゃうところもある。子どもの医療費も自治体によって負担が違うし。本当に必要な人に必要なものが届いてほしいなと思います。