中西正男
金ちゃん：…ちょっと長かったな。
ま、内容はあってるかもしれないけど、長さは半分でいけたと思うけどな。
あと、最近話してるのは「M－1」を意識せずにネタをやろうかと。この前「ウーマンラッシュアワー」の中川パラダイスさんという、今仕事がなくてヒーヒー言ってる人がいるんですけど、その人から言ってもらったんです。
坂井：その前置きはなくてもいいだろ。
金ちゃん：ま、そのパラダイスさんが「お前らはネタが本当は面白いんだから『オレたちはネタは弱い』みたいなノリはそろそろやめてもいいんじゃないか。お前らはシャレも込めて言ってたとしても、そう言ってると周りは本当だと思う部分もあるし」と言ってくださったんです。
もともと、本当のところは「おもしろ荘」（日本テレビ系）とかネタで出てきたコンビでもあるので「M－1」とか賞レースを意識せず時事ネタとか毒のあるネタとか、今の自分たちに合ったネタを作っていく。それが今年やっていこうと思っていることでもあります。
坂井：で、そもそも、誰にアドバイス受けてんだよ！
金ちゃん：地獄見て、素人と組んで「M－1」出てるくらいアグレッシブな人だから、言葉の重みがあるんだよ！
でも、本当に吉本にいる限り、劇場で何ができるかは問われます。そして、寄席でウケるネタ、力があることが芸人としての幹にもなる。
テレビはサイクルも早いですし、スタッフさんも当然新しいものを求める。だからこそ、呼ばれなくなった時に勝負できるものを自分たちで持っておかないといけないなと。
坂井：オレはテレビのスタッフさんは温情のある方々だと思ってるよ。これじゃ、見出しが「テレビの人は薄情」になるよ。
金ちゃん：お前が頑張ろうとしてるのは分かるけど、こういう取材の場ではそういうのは反映されづらいから（笑）。もう、大丈夫なんだよ。見ろよ、記者さんもペンも置いてるだろ。ありがとうございました。
（中西正男）
■鬼越トマホーク（おにごえとまほーく）
1985年11月6日生まれで東京都出身の金ちゃん（本名・金野博和）と85年12月27日生まれで長野県出身の坂井良多が2010年にコンビ結成。吉本興業所属。NSC東京校15期生。毒をたっぷりと含んだケンカ芸で注目され、一躍ブレーク。金ちゃんは19年に結婚、坂井も今年8月に早乙女ゆみと結婚した。カレンダー「『日めくり』まいにち、うるせえなぁ！－ビジネス編－」が発売中。
中西正男
芸能記者。1974年、大阪府生まれ。立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当として、故桂米朝さんのインタビューなどお笑いを中心に取材にあたる。取材を通じて若手からベテランまで広く芸人との付き合いがある。2012年に同社を退社し、井上公造氏の事務所「KOZOクリエイターズ」に所属。「上沼・高田のクギズケ！」「す・またん！」（読売テレビ）、「キャッチ！」（中京テレビ）、「旬感LIVE とれたてっ！」（関西テレビ）、「松井愛のすこ～し愛して♡」（MBSラジオ）、「ウラのウラまで浦川です」（ABCラジオ）などに出演中。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか？」。
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