鬼越トマホーク(撮影/中西正男)
鬼越トマホーク(撮影/中西正男)

坂井:今、一生懸命「頭いいな」と思われるために、必死にしゃべってます(笑)。行き当たりばったりでここまできただけのに、それを美談っぽく語るな! どうやら“ブレーンタイプ”だと思われたいみたいで……。

金ちゃん:ここはオレのターンだから黙ってろ! お前のどうでもいいヨメの話も「長いなぁ……」と思いながら聞いてたんだから。ま、でも、リアルに最初に解散して良かったなというのは強く思います。

坂井:今だから言うんですけど、当時はどっちも“謝れなかった”んです。意地を張っていた部分があって「もう解散だ!」となった時も、どこかで「でも、コイツじゃなきゃ無理だな」とは思ってたんです。冷静な自分が。

 なので、コンビ別れしていた2年の間も、正直「また組むだろうな」「組みたいな」という思いはありました。このとんでもない芸能界で生き残るには、二人でやるのがベストだと。

金ちゃん:恋愛と同じなんでしょうね。恋愛もね……。

坂井:今はオレのターンなんだよ!本当にね、こういうところで語りたがるんですよ!

金ちゃん:ヨメのところでしゃべったからいいじゃねぇか。ヨメのターン、長かったぞ!

坂井:聞かれたから説明しただけなんだよ!

 こういう言い争いにもなりますし、お互い意地っ張りなんでぶつかり合いはあるんですけど「絶対に『鬼越トマホーク』でやった方がいい」というのは常にありました。

 僕らが他のコンビより強いところがあるとするならば、二人でいた方が強いということでしょうね。バラ売りではなく。個々でいると弱いけど、コンビになると倍以上の力が出る。シンプルなところで言うと、二人でいた方が見た目的にも味が増すと思いますし。

金ちゃん:今は「こいつじゃなきゃ」みたいなことを言ってくれましたけど、解散している時はそんな言葉が出るような空気ではなかったんです。

 ただ、互いに意識はしていて、最後にこちらに電話がかかってきて「もうオレ田舎に帰るけど『鬼越トマホーク』をもう一回やらなくてもいいか?」と聞かれました。それが決め手になって再結成することにしたんです。

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