ポスティング・システムでメジャー挑戦を目指していた阪神の藤浪晋太郎が、アスレチックスと契約合意に達したことが10日に報じられた。
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米国でメジャーを取材する通信員は、「アスレチックスは昨年ア・リーグの最下位に低迷し、先発陣もコマ不足です。救援陣も不安定なので割って入るチャンスはある。藤浪の勝負は開幕前から始まっています。2月のスプリングキャンプ、オープン戦で結果を残し続けられるかどうか。持っている能力は間違いなく高いので大化けしてほしい」と期待を込める。
藤浪については、「メジャーで通用しない」という見方も少なくない。無理はないだろう。高卒1年目の2013年から3年間で計35勝をマークし、「球界を代表するエース」と期待されたのは過去の話だ。16年以降は下降線をたどり、ファームで調整する日々が続いた。制球難で突然崩れるため、首脳陣も計算ができない。一度狂った投球フォームを修正するのは困難だった。
当時を取材するスポーツ紙記者は、「制球力を改善しようと、クロスステップを修正しようとしたところから歯車がかみ合わなくなったように感じます。抜け球が多く、右打者にぶつけてしまう。イップスのような状態になり相手と戦う以前の問題だった。藤浪は真面目な性格なので色々なコーチの助言を聞いていたが、光が見えない。苦しい時期だったと思います」と振り返る。
2年連続開幕投手を務めた昨季も先発で不安定な投球が続き、救援に配置転換された。復活の光が見えたのは、1カ月半の調整期間を経て先発要員で復帰した8月だった。中日戦で7回4安打1失点の快投。打線の援護がなく黒星を喫したが、10奪三振で無四球と以前は見違えるような投球を披露した。20日の巨人戦も2試合連続無四球とストライク先行の投球で、7回6安打1失点の好投。先発で491日ぶりの勝利を挙げた。
スポーツ紙デスクは、藤浪の変身についてこう分析する。