第6回大会の10年、ロッテJr.では木沢尚文(20年ヤクルト1位)と藤平尚真(16年楽天1位)がチームメートだった。予選リーグで九鬼隆平(16年ソフトバンク3位)がいたオリックスJr.や浜地真澄(16年阪神4位)がいたソフトバンクJr.と対戦。決勝で五十幡亮汰(20年日本ハム2位)や佐藤奨真(20年ロッテ育成)がいたヤクルトJr.を破って日本一。未来のドライチ投手を2人も有すれば「当然か」というところだが、この2人は高校時代に神奈川県で木沢が慶応高、藤平が横浜高で甲子園を目指すライバルとなった。

 第8回大会の12年、西武Jr.の蛭間拓哉(22年西武1位)が予選リーグで石橋康太(18年中日4位)と田宮裕涼(18年日本ハム6位)がいたロッテJr.に敗れた。この2人は準決勝に進み、藤原恭大(18年ロッテ1位)がいたオリックスJr.と対戦している。蛭間と藤原は11年後の23年、パ・リーグで同じ左の好打者としてあいまみえることになる。蛭間は2歳上の前出の木沢から東京六大学の早慶戦で本塁打を放っている。

「Jr.在籍チーム」が「プロ在籍チーム」と同じなのが、今回FA移籍した07年オリックスJr.の森友哉(13年西武1位)、また現役ドラフトで移籍した09年読売Jr.のオコエ瑠偉(15年楽天1位)だ。さらに中日Jr.は、12年根尾昂(18年中日1位)・13年石川昂弥(19年中日1位)・14年高橋宏斗(20年中日1位)と3年連続してドラフト1位が輩出した。子供の頃、好きだったチームにプロで入れるのは幸せなことだが、高橋は「Jr.チーム時代、高いレベルの選手の中で、自分の実力を把握できて役立った」旨のことを語っている。ちなみにプロ77選手の内訳は、ロッテJr.出身が断トツの16人、2位は中日Jr.とオリックスJr.とソフトバンクJr.が9人で並ぶ。

 選考基準に各チーム差異はあるが、「遠投50メートル以上、球速90キロ以上、50メートル走8.5秒以下、特筆すべき技能を持っている」など。各チームの投手のストレートの平均球速は110キロ前後だった。広島Jr.の小柄な左腕・井上宙投手(142センチ36キロ)はストレート93キロながら小気味のいい投球を披露した。全192人のうち、5年生は2人だけ。現役や元プロ野球選手(元木大介、井端弘和、松田宣浩)を父に持つ選手や女子選手も10人いた。

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