他方、J2を2位で1年でのJ1復帰を決めた横浜FCは、J1での再チャレンジへ向けて大きく「変貌」を遂げようとしている。元々、J2屈指の選手層の厚さを誇っていた中で今オフ、FC東京からMF三田啓貴、神戸からMF井上潮音、本からMF坂本亘基、東京VからDFンドカ・ボニフェイスといった実力者たちを獲得し、高いボール奪取能力を持つMFユーリ、左利きのアタッカーであるMFカプリーニの新外国人も獲得。ここにDF近藤友喜ら即戦力の大学生組とDFヴァン・イヤーデン・ショーンらのユース昇格組、さらにレンタル組も加わり、1月の新体制会見には実に20人が新加入選手として登壇した。

 極端な変化はリスクを内包するが、昨季41試合でリーグ最多の26得点を奪ったエースFWの小川航基とビッグセーブ連発の守護神GKブローダーセンが残留。シャドー役で昨季4得点11アシストと機能した長谷川竜也も健在で、各ポジションの「軸」は変わらない。まずはキャンプ期間中に選手間の連携、コンビネーションを深めてチームとして一体感をいかに作れるか。3バックか4バックかのシステム面も含めて早い段階でチームの形を作ることが重要になるが、四方田修平監督が昨季同様に優れた手腕を発揮できれば、J1でも中位を争える力はあるはずだ。

 降格組はどうか。最終節でJ2降格の憂き目にあった清水は、1年での「即J1復帰」を至上命令に新シーズンに臨む。今オフの退団者には、DF立田悠悟、DF片山瑛一、MF原輝綺、MFヤゴ・ピカチュウといった主力組が含まれたが、名古屋からサイドバックの吉田豊、柏からセンターバックの高橋祐治と経験豊富な2人を獲得。選手個々の能力はJ2トップだろう。だが、MF鈴木唯人の海外移籍が決まり、さらにGK権田修一、MF松岡大起、FWチアゴ・サンタナの3人の去就が不透明なまま。彼らが今後、他のクラブへ移籍するようだと状況が一気に変わってくるだろう。

暮らしとモノ班 for promotion
ヒッピー、ディスコ、パンク…70年代ファションのリバイバル熱が冷めない今
次のページ
サッカー王国の2チームはJ1に復帰できる?