昨季限りで現役引退した福留孝介(前中日)も、同じように素晴らしい影響を与えたという。メジャーリーグ、日本一の人気球団・阪神での経験が大きく生かされ、若手の良い手本となっていた。
「現役晩年は結果を残せず二軍生活が続いた。しかし若手に混じっても腐らず、手を抜かずに野球に取り組んだ。ハングリー精神、常に見られているというプロ意識がある。大ベテランの背中が若手の刺激になったのは間違いない」(中日関係者)
野球の能力だけではチームは勝つことはできない。勝利への執着心、チームへの献身性、野球への情熱……。プレーとは別の部分で若手の見本になる選手は、チームが成長するためにも絶対に必要だ。
「(巨人は2019年、2020年の)日本シリーズでソフトバンクに2年連続で4連敗を喫したが、技術などの力量差はそこまで感じることはなかったので、意識の差があったと言わざるを得ない。かつての常勝時代を知る長野、ソフトバンクにいた松田。2人に勝利のメンタリティを求めたとしても不思議ではない」(巨人OB)
今年のチームスローガンは「奪回 ~GIANTS PRIDE 2023~」だが、近年の状況を見る限り、「GIANTS PRIDE」は失われつつあったようにも感じる。勝つためにも、今こそ本来の意味で巨人軍の誇りを取り戻す必要がある。そのためには「チームとは何か?」という真理を知る2人の存在が必要不可欠だった。長野と松田が引き起こすケミストリーがチームに何をもたらすのか注目したい。