一方の代木も高校卒ルーキーということもあって1年目は目立った成績を残していないが、体作りが進んだことで明らかにボールが力強くなった印象を受ける。2月11日の紅白戦では2回を投げて1失点を喫したものの、最速145キロをマークするなど成長ぶりを見せ、16日から始まった沖縄キャンプで一軍昇格をつかんだ。高校時代から打者の手元で小さく変化するボールと制球力の高さは定評があっただけに、球威が出てくれば面白い存在になりそうだ。

 オフの投手補強はルーキーと新外国人以外はDeNAを自由契約となった三上朋也を育成契約で獲得しただけということを考えると、キャンプでの底上げが物足りないと判断した場合にはここからトレードに動く可能性もありそうだ。

 投手陣に比較的余裕があるチームとなるとオリックスソフトバンクの2球団が挙げられる。まずオリックスで狙い目として面白いのが吉田凌だ。2020年には一軍で35試合に登板して防御率2.17と結果を残したが、昨年は6試合の登板で防御率8.10と成績を落とした。ただ昨シーズンは二軍では45試合に登板し、イニングを大きく上回る奪三振を記録しており、変化球の質の高さは大きな魅力だ。東海大相模出身ということで、原辰徳監督と繋がりがあるのも巨人にとっては狙い目になる可能性が高まるだろう。

 一方のソフトバンクで面白そうなのが高橋純平だ。2015年のドラフトで3球団競合で1位指名を受けてプロ入りしたものの、2019年に45試合に登板した以外は故障もあって目立った成績を残すことができていない。素質の良さは誰もが認めるところだが、同じタイプの右の本格派が多いチーム事情を考えると、チャンスをつかむのが難しいというのが現状である。ソフトバンクはフリーエージェント(FA)で獲得した近藤健介の人的補償でも、高橋と同じドラフト1位入団の田中正義が退団しているだけに、交換要員次第では獲得を狙える可能性はありそうだ。

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“血の入れ替え”も必要か