子育て中の親にとって特に、便利なスマホは手放せない存在。親も子も「スマホ依存」に要注意です。好評発売中のアエラムック「AERA with Baby スマホに子守りさせてない?」からお届けします。
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「今の乳幼児を育てている親世代にとって、スマホは手の延長線のようなもの。赤ちゃんとスマホの前に、親とスマホの関係は切っても切れないということがここ数年の調査でわかってきました」
と話すのは、子どものメディアリテラシーの研究をしている実践女子大学教授の駒谷真美先生です。
パソコンや家庭用テレビゲームと比べてみてもスマホの急速な普及は明らかです。しかも約3年前の時点で、乳幼児を育てている親たちの所有率はすでに9割を超えていました。特にワンオペ育児になっているママたちにとってスマホは強い味方です。
「2019年の出生数は90万人を割りました。こうなると、子どもの多いマンションや地域に引っ越さない限り、身近に赤ちゃんのいる家が見当たらないという状況です。核家族化で頼れる人もいない、夫はわかってくれないとなった時に、スマホで同じような境遇のママたちと繋がれることがどれだけ心強いことでしょう。子育て環境も変化しているのです」
核家族で少子化時代に子育てをしている親たちにとって、スマホはなくてはならない育児アイテムだということがわかりました。
一方、子どもが泣いたらスマホで動画を見せてあやすなど、ついついスマホを使いがち。子どもの依存症や健康が心配という親の声も。スマホの影響はどれくらいあるのでしょうか。
2018年に厚生労働省の研究班が中高生を対象にしたネット依存に関する実態調査の結果を発表し、話題になりました。それによれば、依存症が疑われる中高生の数は約93万人で13年の調査時よりも約40万人も増加していたのです。さらには19年にWHOがゲーム依存を「国際疾病」と認定(ゲーム依存にはネットやスマホのゲームも入ります)。依存症になってしまうと、パソコンやスマホでネット世界に没頭し、現実の世界よりもバーチャルな世界を優先させ、ネットの接続を制限されると暴力的になるなど、不安定な状態になります。悪化すると、体調不良やうつ状態など、心身にさまざまなトラブルを引き起こします。