キム・ナレさんは、韓国・仁川出身。韓国本場の味をもとに、旬の食材を使った、日本の家庭で再現しやすい韓国料理や創作韓国料理で活躍中の料理家
キム・ナレさんは、韓国・仁川出身。韓国本場の味をもとに、旬の食材を使った、日本の家庭で再現しやすい韓国料理や創作韓国料理で活躍中の料理家
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「dancyu」「婦人画報」など雑誌でも活躍中の韓国人料理家キム・ナレさんが、3月7日、初のレシピ本を出版した。その名も『おいしい韓国料理のレシピ』。情報解禁以降、予約が殺到し、発売前に重版が決定。なぜいま、彼女の韓国料理に注目が集まるのか。

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 韓国料理といえば、ニンニクを大量に使い、塩分も強め。ちょっとジャンクなイメージも付きまとう。キム・ナレさん自身も、最初に日本で料理教室を開いたときは、いわゆる定番レシピを教えていた。だが、やがて体調を崩し、料理教室を続けることができなくなってしまう。

 そんなとき、生徒だったという人から、一通のメッセージが届く。

「先生の教室には行けなくなってしまったけれど、先生のレシピはわが家でずっと生きています。娘たちも先生のレシピをお母さんの味として覚えてくれるでしょう。そして娘たちが大きくなって家庭を持ったら、自分の家族のためにその料理を作ることでしょう」

 キム・ナレさんは言う。
「自分の料理が誰かの家庭の味になり、それが代々受け継がれるかもしれない……それはとても素敵なことに感じられました」

 メッセージに突き動かされるように、料理教室の再開を決意。早く体調を戻さなければいけないと、自分を元気にするための韓国料理を作るようになったという。旬の食材を食べること。そして、体に負担をかける味付けはやめることを意識。にんにくや塩分は少し減らして、シンプルで体も心も喜びそうな健康的なレシピを目指した。これが、「ナレ式」韓国料理へと発展していった。

 たどり着いたのは、「8つのコツ」だ。

その1 炒めたり煮たりするのは、弱めの中火でじっくりと
その2 甘みは砂糖をあまり使わずに、アガペシロップや梅シロップで
その3 やたらとニンニクを使わない
その4 おいしさのためなら、ちょっとした手間を惜しまない
その5 放っておくことも調理法のひとつ
    (火にかけているときに必要以上に触らない)
その6 米油・ごま油・えごま油など、油を使い分ける
その7 その土地の旬の野菜を使う
その8 レシピはあくまでも目安。必ず味見をして自分の好みに!

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チヂミと雨の日の不思議な関係