おおたとしまさ(左):教育ジャーナリスト。リクルート退社後、教育誌の企画・編集に従事/ 安浪京子(中央):算数教育家・中学受験専門カウンセラー/ 矢野耕平(右):専門塾「スタジオキャンパス」代表(撮影/写真部・片山菜緒子)
おおたとしまさ(左):教育ジャーナリスト。リクルート退社後、教育誌の企画・編集に従事/ 安浪京子(中央):算数教育家・中学受験専門カウンセラー/ 矢野耕平(右):専門塾「スタジオキャンパス」代表(撮影/写真部・片山菜緒子)
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MARCH付属校の入試倍率(『早慶MARCHに入れる中学・高校』から) ※AERA 2020年1月27日号掲載
MARCH付属校の入試倍率(『早慶MARCHに入れる中学・高校』から) ※AERA 2020年1月27日号掲載

 中高6年間を左右するだけに重要な意味を持つ中高一貫校受験。それだけに、保護者からの質問も多く、なかには愕然とするものもある。教育の専門家は学校選びについてどう考えているのか。AERA 2020年1月27日号は、おおたとしまささん、安浪京子さん、矢野耕平さんに聞いた。

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──保護者はこれからどのように中学受験、学校選びを考えていけばよいでしょうか。

安浪京子(以下、安浪):少子化で学校も塾も生徒集めに必死です。これからますます中高一貫を礼賛して早期囲い込みをするし、メディアもあおる。それに流されないでほしい。

矢野耕平(以下、矢野):教育ははやり廃りで語るものではないし、「効率的」という言葉も使ってほしくない。「効率的に名門大学に入れる」とかね。わが子が6年間楽しくすごせるところはどこなのか、わが家としてどういう教育を受けさせたいのか。まずはそこから。

安浪:「省エネで受かる学校どこですか」と聞く親がいます。面倒だから中学受験にかかわるすべてを外注したい、そんな感覚なんでしょうか。

矢野:進路指導の時に「先生が決めてください」ってね。親が忙しくて、子どもに興味がない。一方で、無理なくやらせようという親が増えたことは歓迎しています。絶対御三家って言う親は少なくなりました。合格切符をもらえたところがいい学校、と親も信じてあげることが大事。

おおたとしまさ(以下、おおた):どこかにベストな学校がある、と思っている人が多いですが、そんなものはありませんから。行ける学校をベストにしていく努力を続けるのが大事なのであって、学校選びに正解があると思うこと自体が間違い。どの学校に行くことになっても堂々と通える子にするのが親の役割。第1志望なら良い人生だったのに第2志望だったから人生がシュリンクしちゃった、というような気持ちを子どもに抱かせてしまったとしたら、それは親のせいです。偏差値を上げるためにどうするかを考えるんじゃなくて、どんな学校に行っても堂々と通って、その環境を生かせる、そう育てるための中学受験期間ととらえるべきです。

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