8日に開幕した第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。今大会は大谷翔平(エンゼルス)やダルビッシュ有(パドレス)などメジャーリーガーの招集が話題となっているが、それに負けないほど注目を集めているのが、初めて日系人として侍ジャパンに選ばれたラーズ・ヌートバー(カージナルス)だ。
【写真】「やっぱり“侍ジャパン”に選んでほしかった投手」がこちら
侍ジャパンは9日に大会初戦となる中国代表と対戦し、8対1で勝利したが、ヌートバーは1番センターで先発出場。打つ方では2安打2得点とリードオフマンとしての役割を果たし、守備でも3回に鮮やかなスライディングキャッチを披露するなど、チームの勝利に貢献した。
今回のWBCはまだ始まったばかりだが、すでにヌートバーの招集は様々なところで“好影響”を及ぼしている。
「侍ジャパン参加直後から明るいながらも謙虚な人柄が伝わってきた。自分が前に出るタイプではなく、良い意味で空気が読めるタイプ。そういった部分にも日本人の血が流れているのを感じさせる。どんなメニューにも一生懸命取り組むので、周囲の選手から尊敬される存在になっている」(NPB関係者)
「今回のWBCは世界一になるだけでなく、コロナ禍が明けて野球界が盛り上がるための起爆剤的な役割も期待されている。栗山英樹監督には勝つだけでなく話題の提供も求められた。日本ハム時代の教え子であるダルビッシュと大谷の招聘はもちろんですが、注目度で大きく貢献してくれているのがヌートバーです」(在京テレビ局スポーツ担当)
また、初戦でも活躍したようにヌートバーは戦力としても計算できる選手でもある。2018年のドラフトでカージナルスから8巡目(全体243位)指名とプロ入り前の評価は決して高くはなかったが、着実にレベルアップして2021年にメジャーデビュー。昨季は108試合に出場(66安打/14本塁打、40打点)を果たすまでに成長した。
「栗山監督は何人か日系人選手をリストアップし、侍ジャパンに最適な選手を探していた。普段から連絡を取り合うダルビッシュ、大谷からも情報収集していたらしい。戦力面はもちろん、人間性の部分でも優れているヌートバーを呼ぶことに決めた」(NPB関係者)