沖縄県民を対象にした17年のNHK調査では「本土の人は、沖縄の人の気持ちを理解していると思いますか」との質問に、「十分理解している」「まあ理解している」は19%、「あまり理解していない」「まったく理解していない」は70%だった。「ここ5年ほどの間に、沖縄を誹謗中傷する言動や行動が増えたと感じますか」との質問には、「感じる」「どちらかといえば感じる」が57%に上った。
沖縄の基地負担や被害の偏りは解消されず、沖縄と本土の意識のギャップは拡大している。この現実すら本土からはかすんで見えない。それでもなお、本土世論の変化に期待をつなぐ沖縄の人々に何と言えばいいのか。楽観は微塵もない。しかしあえて言うなら、答えは分断を強いる政治に向き合う私たちの意識の中にある。(編集部・渡辺豪)
※AERA 2020年1月13日号より抜粋