AERA 2019年12月30日-2020年1月6日合併号より(写真:福光恵)
AERA 2019年12月30日-2020年1月6日合併号より(写真:福光恵)
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 今や家の中のドアやエアコン、ドライヤーやテレビのリモコンを通して、親の動きを確認できる時代。キーワードは「ゆるーい見守り」だ。AERA 2019年12月30日-2020年1月6日合併号では、見守りデバイスの最新事情を紹介する。

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 見守り家電なるものが、初めて世に知られたのは2001年のこと。象印が始めた「みまもりほっとライン」が最初だった。こちら、湯沸かしポットの形をした見守り家電。ポットからお湯を注ぐたびに、見守る側の携帯電話などにお知らせが飛ぶ仕組みだ。

 自分も10年以上前に実家に置いて、その使い心地を体験したことがある。離れて暮らすようになって久しい親の、1日何十回もお茶を飲んでいる生活パターンを初めて知り、ほっとしたり、あきれかえったり。

 その発売から18年。気がつけば、今や家電からドアまで、家の中の森羅万象が見守りデバイス化するようになった。モノがインターネットとつながるIoTも発達して、見かけはただの家電が使用状況を報告する例も増えている。

 例えば、電気の消費量から家庭にある8種類の家電の使用状況を分析する東京電力エナジーパートナーの「遠くても安心プラン」とか。毎日決まった時間に自動音声で実家に電話をかけ、現在の健康状態を3択で答える郵便局の「みまもりでんわサービス」なんていうのもある。

 とくに最近は、ゆるーい見守りがキーワード。どの商品のサイトを見ても、「やさしくそっと」とか、「高齢者のプライバシーを侵害せずに」などのコピーが多い。要は親も元気に毎日をエンジョイ中。だから見張りではなく、見守り。カメラやマイクで監視するより、カメラやマイクなしで、親の状況をウォッチしたり、ついでに親とのコミュニケーションもできてしまう一石二鳥のデバイスが増えている。

 ま、これも実家のデジタル化の一種。「新しいことはやりたくない」とか、「使い方がむずかしい」などと思い込んでいるデジタルアレルギーの親が、意識せずデジタルの恩恵に与(あずか)ることができるグッズも多い。

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