したがって、家庭でこうした知識やスキルをもたない素人の皆さんが、安易に熟成にチャレンジするのはリスクが高くお薦めしません。

 銀座などにある高級なお寿司屋さんでは、まぐろを2週間も熟成させたお寿司を出すお店もあります。

 そうしたお店は、市場から厳選した魚を仕入れてきて、長年の修行で習得した、気が遠くなるような手間ひまをかけて熟成を行っています。だからそんなに多くの量を作ることはできず、値段も1貫で数千円になってしまうんです。

 一方くら寿司では、全国3カ所に設けられたセントラルキッチンで、室温や湿度をはじめ、衛生状態を厳しく管理した環境で、専門のスタッフが熟成作業を行っています。

 そうした環境下で、当社が仕入れているマグロにとって、旨み成分のバランスが最も良くなる48時間熟成させたまぐろを、2貫100円で提供しています。この熟成まぐろは、年間7千万皿を販売する人気ナンバー1の商品です。皆さんもぜひお店で味わってみてください。

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◯岡本浩之(おかもと・ひろゆき)
1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2019年11月から、執行役員 広報宣伝IR本部 本部長。

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