打線は大谷翔平(エンゼルス)のチームメートで、俊足巧打のデビッド・フレッチャー、同じく俊足に定評があるニッキー・ロペス(ロイヤルズ)、フレリック、ブレット・サリバン(パドレス)が中核を成す。準々決勝は大谷の先発が濃厚となっている。1発の怖さはないが、機動力には要注意だろう。
投手陣はセットアッパーのジョー・ラソーサ(レイズ傘下)が勝負所で登板する可能性が高い。1次ラウンドのオランダ戦では6回無死満塁のピンチで救援登板し、内野フライ、連続三振とオランダの強力打線を無得点で抑え込み、派手なガッツポーズで喜びをあらわにした。左腕から右打者の内角にクロスファイアーの直球と手元で動く変化球は初対戦で攻略が難しい。侍ジャパンは左打者が多いことから、対策が必要となってくるだろう。
一方で、スポーツ紙デスクは「オランダ、キューバよりイタリアの方が与しやすい相手だと思います」と語る。
「オランダ、キューバの選手たちは身体能力が高いので、狭い東京ドームだと打ち取った打球でも力でスタンドに運ばれる。野球が雑な部分はありますが、勢いに乗ると手をつけられない。対照的にイタリアは相手のスキを突く野球で、怖さはない。序盤で先制点を取って主導権を握れば、救援陣の層が薄いので一気にワンサイドゲームもあると思います」
侍ジャパンがWBCでイタリアと対戦するのは初となる。1次ラウンドとは違った戦いになりそうだ。(今川秀悟)