しいたけ./占師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUE GIRL」での連載「WEEKLY! しいたけ占い」でも人気
しいたけ./占師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUE GIRL」での連載「WEEKLY! しいたけ占い」でも人気
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※写真はイメージ(AERA 2019年9月23日号より)
※写真はイメージ(AERA 2019年9月23日号より)

 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

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Q:5年付き合った彼に3カ月前に振られました。同棲もしていましたが、ほとんどは遠距離恋愛でした。家族のようで、女として見られなくなったと言われました。お互いの両親とも会い、結婚の話もしていました。別れて彼の大切さがわかったし、彼がつらいときは支えたいです。どうしたらやり直せるでしょうか。(女性/接客業/32歳/ふたご座)

A:まずは、僕が考える恋愛と結婚の違いからお伝えしたいと思います。

 恋愛で大事なのは、一体化すること。同じものを見て、同じものをおいしいと思って、同じものを感じ合いたい、と思う心です。一方で結婚で大事なのは、違う人同士が協力して同じ生活をしていくことなんだと思うんです。

 例えば夜中の2時に電話で相手の相談に乗るのは、恋愛だったら大事な行為かもしれません。でも、結婚を見据えた相手と毎晩深夜2時の電話をしてしまうと、おそらく続かないでしょう。

 ご相談の文面を読んで、実は少し引っかかったところがあります。「彼がつらいときは支えたいです」っていうところ。ここに関係性が集約されている気がしました。

 僕が見てきた感じから言うと、つらいときに支えすぎた人には、98%ぐらいの確率で、さよならがやってきます。すごく残酷だけど、相手が去っていってしまう。

 それはおそらく、相手にとっては「借り」ができるからだと思うんです。「迷惑をかけてしまった。僕ではけじめを取れない」と相手に別れを告げることができる人は、ちゃんとした罪悪感の持ち主です。借りを作って罪悪感を持たないとしたら、それは詐欺師になれる人でしょう。

「つらいときに支えたい」っていうのは、すごく優しくて立派なことなんだけど、次の段階に進むときだと思います。支えすぎない関係には何が必要か。それは「できるじゃん。やってみなよ」ってある種、突き放すことです。

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