ヒップホップ・アクティビストのZeebraさんが「AERA」で連載する「多彩な野菜」をお届けします。1997年のソロデビューからトップとしてシーンを牽引し続け、ジャンルや世代を超えて多くの支持を得ているZeebraさん。旬の野菜を切り口に、友人や家族との交流、音楽作りなど様々なエピソードを語ります。
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キュウリって、洋食でも和食でも韓国料理でも、どこにでもいるでしょ。食べる機会はすごく多いけど、正直、好きでも嫌いでもない。僕の中では何とも言えない、不思議な存在なんですよ。あまりにも色んなところに居すぎるから、欲しいと思わないのかな。
切り方にもよるんです。モロキュウとか野菜スティックとか、大きくてごろっとしたキュウリは味が薄くて、水っぽすぎて、うれしくない。サラダに入るときも、ゴツゴツ大きく切ったものは敬遠します。以前、ドレッシングとの絡みが重要というお話をしましたが、その点で言うとキュウリは全然味が乗らないんですよね。
そんな僕が唯一、積極的にキュウリを食べたいと思うのが六本木にあるイタリアンレストラン「シシリア」のグリーンサラダです。ものすごく薄く切られたキュウリが、お皿に見事に並べられてる。ドレッシングとの相性も抜群で、かけて一呼吸置くと、うまい具合にしんなりしておいしいんです。あれはもはや、名物というか、出し物。一種のエンタメとして、行けば欠かせない一品ですね。
※AERA 2019年7月8日号