スマホ依存が進むと子どもの心身に影響が出ることも(写真/gettyimages)
スマホ依存が進むと子どもの心身に影響が出ることも(写真/gettyimages)

 現代人にとってなくてはならない「スマホ」。そのスマホを使って育児をするのが「スマホ育児」です。スマホ育児には2通りのケースがあります。

・知育アプリやしつけアプリを利用して、子どもの能力を向上させる意味でのスマホ育児
・子どもに静かにしてほしいから、スマホを持たせ好きに遊ばせる大人の都合によるスマホ育児

 こう書くと、後者には「ドキッ」とした親もいると思います。

 2013年に日本小児科医会が「スマホに子守りをさせないで!」と警告しています。もう6年前の警告なのですが、スマホの普及によってスマホで育児しないなんて考えられない世の中になっていると感じます。ベビーカーを押しながら、子どもを前後ろに乗せた自転車に乗りながら、スマホを触っている親。よく見ると、ベビーカー、自転車に乗っている子どももタブレットで何かを見ています。

 先日、私が家族旅行で行ったホテルのレストランでは、1歳半くらいの子どもに、スマホでアニメの動画を見せながら食事をさせている家族の姿が。グズッているのでもなんでもないのに見せていたので違和感を覚えましたが、それがこの家族にとって当たり前のことのように見えました。私の子どもが乳幼児の時は、「テレビに子育てさせないように!」と言われている時代でした。ここ数年、手軽に外出先でも動画が見られるようになり、大きく世の中が変わったと感じます。

 もちろん、スマホの全てが悪いわけではなく、外出時に子どもがグズリ、抱っこしたり授乳したりさまざましたのに泣きやまない。でもスマホを見せたら泣きやんだ。周りの「こんな小さい子にスマホを見せるなんて」という目も気になるけれど、「早く泣きやませろよ」という目も気になるので、泣きやませることを優先することはもちろんあることです。しかし、スマホ育児が場合によっては子どもに良くない影響を与えることがあります。

●スマホ育児が子どもに与える影響

 私の保育所に来る子どもたちも、スマホ育児で育っている子どもがいます。それが生活や発達に影響していた2つの例を紹介します。

著者プロフィールを見る
中田馨

中田馨

なかた・かおり/1978年生まれ。兵庫県の認可保育園、中田家庭保育所施設長。一般社団法人離乳食インストラクター協会代表理事。保育士目線の離乳食講座受講生は4年で2000人。自身も中3男子、小5女子の子育て中。

中田馨の記事一覧はこちら
次のページ
スマホを見て、おやつを食べる