取り組む「課題」は小難しいものでなくて構わない。誰か一人でも困ったり、「つらい」と思ったりしている人がいるならそれが社会課題と捉える。絶望していた人が少しでも希望を持てるような仕組みを作る「プレーヤー」を増やしたいと語る。
「タリキチプロジェクト」と銘打つ2カ月のプログラムでは、持続可能な事業プランに落とし込めるまで徹底的にサポートする。参加人数は20人程度。期間中は、起業経験者や会社経営者、資金調達やマーケティングの専門家らがメンターとして伴走する。最後に投資家や企業、行政、NPOの関係者の前でプレゼンし、場合によっては協業や出資のチャンスを得られる。
開始からまだ1年余りだがすでに70人が参加した。経済的に苦しい思いをした学生が、貧困家庭の高校生に無償でプログラミング教育を行う事業を立案。クラウドファンディングで180万円以上集め、本格的な起業を目指すケースもある。
新規事業創出のためノウハウを教えてほしいという相談は大手企業からも。昨年末からは島津製作所で社内起業の支援プログラムの提供を始めたところだ。(編集部・石臥薫子)
※AERA 2019年2月11日号より抜粋