第1次大戦終結から100年の記念ミサで顔をそろえた、(左から)ウィリアム王子、ハリー王子、メーガン妃、キャサリン妃。胸元のポピーは戦没者追悼のシンボル=11月11日、ロンドンのウェストミンスター寺院で(写真:gettyimages)
第1次大戦終結から100年の記念ミサで顔をそろえた、(左から)ウィリアム王子、ハリー王子、メーガン妃、キャサリン妃。胸元のポピーは戦没者追悼のシンボル=11月11日、ロンドンのウェストミンスター寺院で(写真:gettyimages)

「理想の兄弟」だと思われてきた英王室のウィリアム王子とハリー王子の関係性が揺らいでいるという。ここでもメーガン妃が火種と伝えられている。

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 11月14日、チャールズ皇太子は70歳になった。王位継承順位第1位としての「待ち時間」は66年を超え、英王室歴代最長だ。一時はウィリアム王子(36)への譲位があるのではともささやかれたが、本人にその気はないようだ。環境問題や現代建築などへの言及を「政治介入」と以前批判されたことに触れ、「国王と皇太子では仕事が違う。(国王として)介入を続けるほど馬鹿ではない」と言い切るなど、国王への準備と覚悟はできているとアピールする。

 皇太子は誕生日に先立ち、カミラ夫人とウィリアム王子一家、ハリー王子一家との家族写真を公表。英王室は一見和やかなムードに見える。

 しかし、英メディアでは「ウィリアム王子とハリー王子の間に初めての亀裂」と話題だ。発端は5月のハリー王子とメーガン妃の結婚式までさかのぼる。妃の父親が心臓手術のため式を欠席し、皇太子が妃の手を取ってバージンロードを歩いた。そのころから妃は皇太子のことを「勤勉でやさしく、気配りのできる素晴らしい方」と、ハリー王子にもっと親しくするようにと強く勧めたといわれる。

 さらにハリー王子夫妻は今夏、皇太子が夏を過ごすスコットランドの邸宅に1週間も滞在した。1997年にダイアナ元妃が亡くなって以来、皇太子と2人の王子の間にはわだかまりがあったが、ハリー王子から歩み寄った形となり皇太子はとても喜んだ。来春、夫妻に第1子が誕生したら「ウィリアム王子やキャサリン妃よりも、もっと親しく孫と会わせてくれると皇太子は心待ちにしている」とも伝えられる。

「象牙」問題も持ち上がった。

 かねてウィリアム王子はアフリカ野生動物の保護組織のパトロンを務め、角や牙が高価で取引されるサイやゾウの密猟対策を強化するように訴えてきた。以前、同王子はバッキンガム宮殿が多数所蔵している象牙の彫刻などをすべて破壊すると発表。活動への説得力を高めるのがねらいだが、それに反対したのがチャールズ皇太子だった。

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