ランチョンテクニックは、料理の満足度によって、飲み会や食事会に参加したメンバー全体の満足度が高まること。ここでは「ランチョン効果」と呼ぼう。

「おいしいものを食べたりおいしいお酒を飲んだりすると、実際には食事がおいしいだけでも、私たちは会全体が楽しくて参加者と仲良くなれたと誤認します。お互いに相手を“いい人”だと感じるので、人間関係が深まります」

 だから、「おいしいお店」に行くことが重要になる。

「値段だけを優先して“飲み放題付き3千円!”のような格安店を選ぶのではなく、お酒も食事も楽しめるお店で飲むといいですね」

 おいしい食事を食べられるなら、と飲み会嫌いな人やお酒を飲めない人も参加しやすくなりそうだ。

 二つ目は、お酒の席では互いに自分のことを打ち明ける「自己開示」がしやすくなる、という効果だ。アエラはこれを「打ち明け合い効果」と名付けた。

 堀田教授は指摘する。

「飲み会のいいところは、仕事以外の話を気楽にできることです。職場で自分のプライベートな話をしたり相手に聞いたりするのは少し難しいですが、飲みの席ではそれが簡単。自分のプライベートを話すということは、自分の素を少しさらけ出すことです。それを“自己開示”といいます」

 そして自己開示には、相手にも自己開示を促す「返報性」があるという。

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自己開示がもたらすもう一つの効果