実際、モナコでは、アルベール公とシャルレーヌ公妃は、真っ先に出席を表明した。

 君塚教授は、英国の報道機関は「新国王のチャールズ3世も各国の王と交流を深めたいと考えている」といった内容の記事を報じていると話す。

「日本政府は、これまでの慣例に従って、皇嗣である秋篠宮さまを名代としました。とはいえ、昨今の王室を取り巻く状況を踏まえて参列者を決定する柔軟さもこれからは必要だと感じます」

 君塚教授は、「戴冠式の参列者が両陛下でも問題はなかった」と考えていた。新国王のチャールズ3世と天皇陛下の関係がポイントだという。

「チャールズ新国王は皇太子時代に、平成と令和の即位の礼という重要な節目に2度も出席してもらっている。天皇、皇后両陛下は、エリザベス前女王の国葬に参列しています。そうなると、今回の戴冠式にチャールズ新国王への返礼の意を含む訪英を実現させてもよかったのではないかと感じます」

■秋篠宮家と各王室のパイプ

 一方で秋篠宮家も、各王室と親善において実績を積んできた。

 平成の皇室は、メンバーの高齢化や皇太子妃であった雅子さまの体調がすぐれないといった問題に直面していた。外国の王室の葬儀や結婚式への出席も、機動力のある秋篠宮ご夫妻が出ることが多かった。いずれも2泊4日、往復は機中泊といった強行軍をこなしてきた。

 葬儀への参列は国際親善の側面もある。両国の関係性や皇室とのゆかりの深さなども考慮される。04年に、オランダのユリアナ前女王(当時)の葬儀に参列し、ベアトリックス女王(同)主催の昼食会に出席し、親交を温めたのは秋篠宮ご夫妻だった。その2年前には、ベアトリックス女王の夫のクラウス殿下の葬儀にもご夫妻で参列している。秋篠宮さまは英国留学中に4回オランダを訪問するなど、王室一家と親交が深く、日蘭協会名誉総裁を務めている。

笑顔のオランダ・マルグリート王女(手前)と紀子さま。2018年にオランダ・ハーグで開催された肺の健康国際会議にて
笑顔のオランダ・マルグリート王女(手前)と紀子さま。2018年にオランダ・ハーグで開催された肺の健康国際会議にて

 アジア王室との交流も深い。13年には秋篠宮さまが、カンボジアのシアヌーク前国王の葬儀に参列。17年のタイのプミポン前国王の葬儀には、ご夫妻で参列している。

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実績はアピールすべき時代