改善前と改善後を比べると、子どもが小さいころは積み立て分で教育支出が増えるが、それを大学の学費に充てることで、ピーク時の出費が低くなる。ピークが夫の役職定年前なので、負担感も少なくなるはずだ。
しかし氏家さんによると、現実にはせっかくのため時に習い事などで教育費を使いすぎてしまう家庭が珍しくないそうだ。
「信念をもって習い事をさせるのならいいのですが、もったいないのは、周りがやっているから流されるパターン。教育にお金をかけないことが、まるで愛情を注いでいないように思えてしまうようです」
教育における“つられ消費”や“見え消費”こそやめるべきだ。子どもが本当にやりたいことを見つけたとき、夢を追う資金がないことにもなりかねない。
「困ったら奨学金に頼ろうという方もいます。でも奨学金で支払っていいのは想定外の支出のみ。学費まで奨学金では、子どもの将来の負担が大きすぎます」
長い目で教育を考えることが肝心だ。(ライター・松田慶子)
※AERA 2018年10月29日号より抜粋