教育費をめぐるライフプラン表(AERA 2018年10月29日号より)
教育費をめぐるライフプラン表(AERA 2018年10月29日号より)
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幼稚園~高校の子どもの学習にかかる費用(AERA 2018年10月29日号より)
幼稚園~高校の子どもの学習にかかる費用(AERA 2018年10月29日号より)

 子どものために最高の教育をと考えると、コストは青天井だ。親が定年するころに子どもは大学という家庭も多い。ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さんは、小学生卒業までの積み立てが鍵になると声を大にする。教育費の効率的な貯め方を聞いた。

【図表で見る】幼稚園~高校の子どもの学習にかかる費用

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 予算計画を確かめるためのライフプラン表を見てみよう。モデルは5歳女児と1歳男児を育てる、会社員の夫(40)と派遣社員の妻(38)の夫婦。現在の世帯年収は約800万円だ(図参照)。

 左側の棒グラフは「その場しのぎ型」。子どもにできる限りのことをしたいと考え、長女には英会話とピアノ、水泳を習わせ、月平均3万円を支出する。私立中高一貫校を予定。住宅は長男の妊娠を機に購入した。

 図を見ると2人の私立の学費の重なる期間が長いことに、改めて気づく。「子供の学習費調査」などを参考に試算すると、年に250万円前後かかる時期が8年間続く。万が一、夫婦どちらかが病気にでもなったら、支払いは困難になりそうだ。

 最大の問題は、出費のピークのただ中に、夫が55歳の役職定年を迎えること。60歳の定年時に長男はまだ大学生だ。住宅ローンの返済も69歳まで続く。老後資金もためられない。

 そこで、氏家さんのアドバイスに従って、子どもが小さいうちに教育費を積み立てておくことにする。右側の棒グラフ「計画的に積み立て型」だ。大学の学費300万円を、私立中学入学までにためる。生活費からこれらの額を積み立てに回す分、習い事代を減らす。現在の3万円から、幼稚園児の平均の約8千円に。小学校に入ってからも、1万円程度に抑える。

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