■3位:度会隆輝(ENEOS・外野手)

 中学時代から天才的なバットコントロールが話題となった左の強打者。横浜高校ではコロナ禍もあって少し苦しんだ印象だったが、社会人で大きく成長し、名門ENEOSでも1年目からレギュラーとして活躍している。昨年の都市対抗では4本塁打を放ち、チームを優勝に導き、MVPにあたる橋戸賞も受賞。全身を使ったフォローの大きいスイングで、長打力と確実性を兼ね備えており、走塁への意識も大きく向上した。高校卒の社会人野手としては福留孝介(元中日など)以来の大物と言えるだろう。

■2位:真鍋慧(広陵・一塁手)

“広陵のボンズ”の異名をとる大型スラッガー。力のある選手が揃うチームの中で1年夏から中軸を任されると、明治神宮大会では2年連続でホームランを放つなど、全国の舞台でもその長打力をいかんなく発揮している。今年のセンバツでは厳しいマークに苦しんだ部分はあったものの、準々決勝の専大松戸戦では左中間に特大のツーベースを放つなど、広角に大きい当たりを打てるところを見せた。打者としてのスケールの大きさは近年の高校生でも屈指で、プロでも中軸を担える素材である。

■1位:佐々木麟太郎(花巻東・一塁手)

 今年の野手の目玉と言えばやはり佐々木麟太郎になるだろう。入学直後からホームランを量産し、4月2日時点では清宮幸太郎(早稲田実→日本ハム)の111本を抜く117本まで積み上げていることが明らかになった。高校通算本塁打はあくまでも参考程度の数字ではあるが、それでもスイングの迫力とヘッドスピードはやはり尋常ではない。パワーはもちろん柔らかさがあり、左中間に放り込めるのも持ち味だ。少し小さな故障が多いのは気がかりだけに、夏には万全の状態でその打棒をいかんなく発揮してくれることを期待したい。
(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文 1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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