しかし、岸本氏の支援者の一人は、
「門氏は知事選で岸本知事を応援したと言っている。岸本知事も『門さんをぜひ』と後援会で声をかけている。しかし、ガチンコで小選挙区を争ってきただけに『門さんだけはダメ』と思っている人もいる。岸本知事の政治姿勢からすれば、維新と方向性が似ているという後援者の声もあるし、微妙ですよ」
と話した。
門氏も岸本知事の支援は「絶対に必要」との思いがあるようで、SNSではツーショット写真をトップにあげ、演説でも「和歌山は一つ」と訴える。
森山氏から「和歌山の大黒柱」と紹介され、演説に立った二階氏は、
「手を緩めずに選挙をやれば、圧倒的な信任が得られるはず」
と手短に応援を終えた。
だが、先の自民党県議によれば、
「二階先生は、最近ずっと週末には地元に戻って、門氏のために人知れず驚くほど細かくまわって頭を下げている。あの二階先生が、というほど低姿勢。次の選挙では10増10減で選挙区が3から2に減る。二階派でもある門氏がもし補選で敗れると、二階先生も県連会長の進退を問われかねない」
という。
そして、「対維新」を最も強く意識しているのが二階氏だと続けた。
「二階先生は、そもそも門氏が補選の候補に選ばれる前から『大阪の勢いが和歌山に来れば大変なことになる』『吉村(洋文大阪府)知事が和歌山に入れば票がどっと維新に流れかねない』と、県連にもはっぱをかけていた。出陣式ではあまり語らなかったが、維新の強さに最も危機感を抱いているのが二階先生だ」
その維新。
前和歌山市議の林佑美氏(41)の出陣式に駆けつけた馬場伸幸代表が、
「今、古い政治から新しい政治に変えなきゃいけない。この和歌山を変えよう」
と訴えた。
維新の和歌山県総支部代表の井上英孝・衆院議員は、出陣式後に報道陣に囲まれ、
「和歌山は保守王国で、維新にとっては厳しい選挙。しかし、奈良県知事選でもわれわれはチャレンジャーとして戦い、勝つことができた。岸本知事は、維新とは親和性がある国民民主党におられたところは期待できる。林氏は昨年夏の市議補選で自民党候補より多い3万5千票をとって当選した。まだ1年も経っていないので、そこは票の上積みにつながると考えている」
と話し、吉村知事らの和歌山入りについては、