お目当ての「The Spa at Mandarin Oriental Tokyo」があるのは37階。東京の街の上に浮かんでいるような感覚で全身のトリートメントを受けられる「天空のスパ」だ。スパプログラムは、東洋と西洋の技術を融合した独自のもの。約40種類あり、和の素材を使った日本ならではのトリートメントもある。

 1番人気は時間枠のみ予約する「タイム リチュアル」(所要時間1時間50分、4万4千円、税サ別)。

 街場のマッサージや指圧では施術は首から下がメインだが、ここではその日の体調や希望に合わせて、ボディーとフェイシャルのベストな組み合わせを提案してくれるという。

 瀧澤さん評は「格式の高さや料金というハードルはあっても、このスパの特別感は群を抜く」。

 男性の利用も増えているらしい。同スパのアシスタントディレクター、山崎友倫子さんは言う。

「眼精疲労などの症状も、首から顔、頭皮までをトータルにケアすることで劇的に改善します。男性の場合は普段お手入れをしていない分、その効果に驚いてリピーターになる方も多いです」

 2席のチェアが配された「スパ スタジオ」も、30分で肩や首の集中トリートメントなどが受けられるとあって人気だ。鮮やかなレッドソールのシューズで名高いクリスチャン・ルブタンのネイルカラー&トリートメントコース(40分、1万5千円~、税サ別)も気分がアガりそうだ。

 都心の超高層ホテルが二つ続いたところで、次は関西編。選んだのは京都御所の西の閑静な住宅街に昨年7月オープンしたTHE JUNEI HOTEL京都 御所西。わずか8部屋というスモールラグジュアリーホテルだ。

 近年、インバウンド需要の高まりで京都でも新しいホテルが次々オープンしているが、主流は20~30平方メートルのツインルーム。ジュネイは40~50平方メートルとゆったりしている。

 非日常感も申し分ない。ベッドだけでなく、茶室を模した畳の小上がりスペースがあり、い草の優しい香りが鼻孔をくすぐる。8室はしつらえがすべて異なり、平安時代から使われてきた伝統工芸品の「京からかみ」のアートディスプレーなども味わい深い。「五感で感じる心地よさ」がコンセプトだ。

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