これでもかと続いた今年の酷暑。全身お疲れ気味という人も多いだろう。そんな心と体をリセットしに、足を運びたくなるホテルを探してみた。豪華だけどお得、隠れ家……厳選セレクションをご覧あれ。
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この「夏の疲れを癒やせるホテルを探す」という企画を始めるにあたって、はたと困った。記者は、出張や旅行でホテルを利用したことはもちろんあるが、いわゆる「自分へのご褒美」的な利用経験は皆無だったのだ。
ゴマンとあるホテルの中から一体、どうやって読者にオススメのホテルを探し出せばいいのか。手がかりを求めて、サイト「All About」のホテルガイドで年間250日はどこかしらに泊まっているというホテル評論家、瀧澤信秋さんを訪ねた。
「私もよく、『どこのホテルがいいか』と聞かれますが、ほとんどの場合、答えに窮します。誰といつ行くのか。どのくらいの予算か。重視するポイントは何か。こうしたことが明確でない限り、万人にオススメのホテルなんて言えないんです」
確かに。でも「誰といつ」や「予算」はあまり具体的に絞り込むと記者個人にしか役立たなくなるので、重視するポイントのみ最大公約数的に設定した。
(1)思い立ったらすぐ行けるロケーション。1日でリフレッシュできるように、移動は最小限に。読者が首都圏に多いことを想定し都内中心に選ぶ。ただし1カ所は関西から。
(2)疲れている体や心が「おっ」と反応するだけの「非日常性」があること。
このポイントに沿って、瀧澤さんがこれまで「自腹でもまた行きたい」と感じたホテルを集めた『最強のホテル100』(イースト・プレス)などを熟読し、絞り込みを開始。最終的に瀧澤さんも「値段以上の価値あり」と太鼓判を押した四つのホテルをピックアップした。
トップバッターのザ・プリンス パークタワー東京は、東京都港区の芝公園の「中」というちょっと変わった場所にある。緑の中の小径を抜けた先に現れる地上33階の別世界。