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・離島や洋上プラットフォームに、小型モジュール式原子炉を設置する
・原子炉で発電した電力を使って:(1)ビットコイン・マイニング装置を稼働させ、直接デジタル価値に転換する、(2)水素やアンモニア等のエネルギーキャリアを製造し、エネルギー基地とする、(3)マイクロ波に変換して、ワイヤレスで電力を遠隔地に送電する

 本提案について、原子力業界の若手・中堅受講者から、「前向きでワクワクする話が聞けてモチベーションが向上した」という声を多くもらった。

 また、2004年からGSBの日本同窓会幹事として、GSBアドミッションオフィスと連携して、東京での説明会を毎年主催してきたほか、コロナ禍以降は、“Online Chat with an Alum”というZoomイベントを毎週開催している。2020年からの2年半で130回以上、世界中のGSB受験生1200名以上に対して、イノベーション教育の最高峰であるGSBの魅力を、自らの“Transforming the dinosaur TEPCO with GSB entrepreneurship”という具体例で解説し、好評を博している。

 これら人材育成に資する取り組みを生涯実践し続け、“Change lives. Change organizations. Change the world.”というGSBのスローガンを体現し、多くの人に夢と希望を与えることができたならば、わが人生に悔いはない。

立岩健二
京都大学・同大学院にて原子力を専攻し、1996年東京電力に入社。新型原子炉の安全設計等に従事していた2000年代初頭、「黒船」エンロンの国内電力市場への参入により業界に衝撃が走ったことをきっかけに、日本のエネルギー基盤を支えられる「技術のわかる経営者」を目指し、2004年にスタンフォードMBA取得。東電復帰後、日本の電力会社初となる海外原子力事業への出資参画を主導するも、東日本大震災で白紙撤回となる。国際機関と連携して福島第一原発事故対応に奔走するかたわら、日本のエネルギー基盤を「アンチ・フラジャイル」に立て直すための構想を検討。この一環として、「分散コンピューティングによる再生可能エネルギーの導入量最大化と電力系統の最適化」事業を考案。当事業を社会実装するプラットフォームとして、株式会社アジャイルエナジーXを2022年8月に東電の社内ベンチャーとして設立し、代表取締役社長に就任。