こんなふうに見ると、「お気楽で、なんだかずるい」と思われてしまいそうな末っ子ですが、実は心に秘めた強い思いもあるのです。末っ子は、運動や勉強、あらゆる場面で「兄や姉にはかなわない」というくやしい経験をし続けています。これが、負けず嫌いな一面を育てます。「お兄ちゃんより遠くに投げたい……お兄ちゃんに勝ちたい!」と、一人でボールを投げる練習をするのは末っ子に多く見られるのです。
こんな陰の頑張りを見つけてあげることが、末っ子のツボ。末っ子を伸ばすなら、「◯◯しなさい!」と指示をしてもまったく響きません。お茶らけていても、実は頑張っていることがある。「おっ、50メートル走のタイム、さすがだね! 練習してたもんね~」なんていいですね。
ちょっと型破りなところもある末っ子は、やんちゃタイプが多く見られます。たとえ言うことを聞かなくても、過剰な反応は逆効果。規則を違反していないか、危険がないかどうかを注意して、その行動を見守ることも大切です。ただし「もう! 勝手にしなさい」は禁句。見放された気分になって、本当に勝手にしてしまう可能性があるのでご注意を。
また、一流のスポーツ選手には、末っ子が多いといわれます。プロ野球選手のイチローさんや、プロテニス選手の錦織圭さん、フィギュアスケート選手の羽生結弦さんも末っ子です。これは、末っ子の特性である負けず嫌いに、打たれ強さも備わっていくから。悔しい経験を重ねても、へこたれない強さを持つのです。がむしゃらに食らいつく挑戦心は、人一倍といえるでしょう。
上の子のやることをよく見て、真似をして育つ末っ子は、教えてもらうことに抵抗感がありません。これは、スポーツをはじめ、あらゆる面で「伸びる」要素をたくさん持っていることになります。そんな末っ子は、スポーツ選手のほかにも、営業職や販売職も向いています。劣勢を跳ね返し持ち直す強いメンタル、物おじのなさこそ、末っ子の武器なのです。